姫路市立大塩公民館で発見された大きな花びんが、陶磁研究家の調査により、作者が近代陶芸の巨匠・三代清風与平(1851-1914)であることが判明、5月22日付けの神戸新聞で報道されました。
三代与平は姫路市大塩町生まれ。明治期に活躍し、わが国の陶芸界の基礎を作った陶芸家です。早速、生涯学習課を経由して大塩公民館に問い合わせると、館長から「見に来てください」とのこと。急行して拝見すると、なんと、実に麗しい姿の花びんではありませんか。高さは約50cm。白い肌に黒い線で描かれた鳳凰と桐の文様が美しく、見る者を虜にする神秘的な魅力に満ちていました。作者のやさしさとぬくもりを感じる花びんですね。
大塩地区はお祭りや塩田などで知られていますが、ビッグな美術家を輩出した文化ニュースによって、郷土の歴史に輝かしい1ページが刻まれたのです。
花びんは、秋に愛知県陶磁資料館の「明治の人間国宝展」(10.2-11.28)に出品され、戻って来た後は、大塩町の住民たちにお披露目して偉大な先輩を讃えたいということです。
(とら)